平成23年6月1日 理事長 島村 常男
この度、一般財団法人石油開発情報センター(ICEP、アイセップ)はホームページを大幅に刷新いたしました。この機会にICEPが日ごろから頂戴しておりますご支援・ご協力に対しまして改めて御礼のごあいさつを申し上げます。
ICEPは平成4年11月に石油及び可燃性天然ガスの探鉱・開発に関する会員への情報提供と調査研究を通じて会員の皆様方の事業発展に貢献することを目的に設立され、その後産油国石油開発協力事業を加えて三つの事業を主体に活動を展開して参りました。
平成22年11月には政府の公益法人改革に対応して一般財団法人への移行申請書を提出し、平成23年4月1日に一般財団法人に移行しました。一般財団法人となりましても三つの基本事業には変わりがありませんが、公益目的事業である産油国石油開発協力事業の範疇で、四番目の基本事業として自主事業なるものを追加・展開していくことにしております。
情報提供事業に関しましては、大きく分けて1) 石油・天然ガスの探鉱・開発に関する情報提供と 2) 事業報告会等の開催 があります。1)に関しましては、ICEPが諸業務を通じて得た世界の石油・天然ガスの探鉱・開発の最新情報を本ホームページや会員サイトならびに定期刊行物「ICEPニュース」を通じて提供するものと国際的に著名なIHS Global SAと契約された会員に対する石油の探鉱開発に関するデータベースサーバーの運用・管理、および専任のシステムエンジニアによるデータベースの更新から活用までの総合サポートがあります。 また、2) 事業報告会等の開催として、当財団の事業報告会や産油国石油開発協力事業報告会、ICEP国際セミナー等を開催しています。
調査研究事業に関しましては、石油・天然ガスの上流部門における種々の課題について、調査研究を実施しています。本事業実施に当たっては、地質グループ、生産グループ 、経済グループ、情報管理グループの4グループに分かれ、各々のグループの特性を生かして堆積盆地の地質学的評価、生産技術に関する動向調査、政治経済に関する動向調査及び探鉱・開発に関するデータベースの運用・管理等を実施しています。
産油国石油開発事業に関しましては、産油国からの協力要請を受けて、わが国の技術・人材・知見等を活用し、産油国との友好関係を強化するとともに、産油国の石油・天然ガス開発事業に寄与する目的で次の三つの事業を実施しています。第一に、技術協力を中心に産油国と共同で研究を行う技術共同研究事業、次に、日本企業が各種の調査研究を実施し、産油国にその成果を提供する調査研究事業、さらに、産油国にミッションを派遣したり、産油国の要人を招聘してセミナーを開催したり、産油国の人材育成に協力したりする人材交流事業の三事業であります。
BP Energy Outlook 2030による世界のエネルギー需要見通しでは、世界の一次エネルギ-需要は2010年に比べて2030年においては1.4倍に増加しますが、燃料別に見た場合、その中で石油・天然ガスが占める割合は54%と依然としてエネルギー供給源の太宗を占めています。これに対し、供給側から見ますと2009年末における石油および天然ガスの可採年数はそれぞれ46年、63年(BP Statisitical Review of World Energy 2010)と見込まれていますが、今後、需給のタイト化は避けられないと考えられています。
このような長期見通しの下、わが国においても昨年6月にエネルギー基本計画の第二次改定が行われ、2030年に向け、化石燃料の自主開発比率を(現状の約26%から)倍増させるとの数値目標が掲げられました。このため、わが国石油開発業界に対する期待は以前に増して大きくなっており、その責任は重大であると言えます。
本年3月11日には東北地方沖合いで未曾有の大地震が発生しました。この東日本大震災で被災されました皆様に謹んでお見舞い申し上げますとともに、福島第一原子力発電所の事故の一日も早い収束と被災地域の復興を祈念しております。今回の原発事故によりわが国のみならず世界のエネルギー需給見通しが見直されることは必至ですが、短期的には石油・天然ガスに頼らざるを得ない状況ですので、この点からもわが国石油開発業界に対してプロジェクトの加速化・多角化の期待が高まると考えられます。
具体的には、世界の石油開発業界における最近の大きな出来事として中東・東南アジア・オーストラリアにおけるLNGプロジェクトの進展、アメリカを主とするシェールガス開発の進展、西アフリカ海洋部および東アフリカ陸上部での大油田の発見などが挙げられますが、わが国石油開発企業としてもLNGプロジェクトではオペレータやパートナーとして、シェールガスプロジェクトにはパートナーとして参加し、活躍の場を広げております。
わが国においては政府の産業政策の下、実施支援機関としての独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)があり、石油・天然ガス開発に関わっている主たる会社の数は専業、精製元売り系、商社系等で10社を超え、海外で商業生産を行っているプロジェクト会社の数になりますと70社を上回ります。これらの会社を束ねるものとして石油業界では石油鉱業連盟、天然ガス業界では天然ガス鉱業会という団体をもち、それらに共通する石油・天然ガス開発技術を対象とした技術系の学会である石油技術協会があります。
これらの業界団体や学会に対し、ICEPは(設立当時の)石油公団と石油・天然ガス開発に直接間接に携わる多分野・多業界の会社を母体として設立され、石油・天然ガス開発に関わる情報を整理して提供するとともに探鉱から生産までの上流分野全体を対象にした調査研究を受託できる体制を整えています。また、政府の補助金事業を受託して産油国と直接交流し、国内企業による産油国ミッションの組成・派遣や産油国要人を招聘しての国際セミナー等を開催するなど石油開発会社と産油国との間で触媒・潤滑剤としての役割を果たしております。
ICEPはこのような特徴を活かしながら、会員各社のご指導の下、政府のエネルギー政策に沿ってわが国石油・天然ガス開発業界の発展に貢献すべく努力してまいりますので今後ともご支援・ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
本ホームページの刷新に当たっては次の基本方針で臨んでいます。
先に挙げましたように日本国内の石油開発関係者は政策策定機関としての省庁、実施支援機関としてのJOGMEC、直接事業に関わる企業、企業の意見を集約する業界団体、石油技術協会がありますが、ICEPは情報センターという名にふさわしい石油・天然ガスの探鉱・開発に関わる情報のポータルサイトとしての機能を充実させることに努力してまいります。
具体的には、ICEPとしての一次情報の提供は大変難しい環境にありますので、業界内にあるデータを整理しリンク付けすること等により、ICEPのホームページにアクセスすれば相当程度、詳しい情報にたどり着けるという状態を作り出したいと考えております。
当然のことながら、このことは一朝一夕には実現できませんが、ホームページをごらんの皆様方からの建設的なご意見・ご批判を頂きながら充実させていきたいと考えておりますので、皆様のご支援・ご協力を切にお願い申し上げます。
以上